週刊まちづくり/38号(2000/01/01号)



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□□□□◆週刊まちづくり◆□□□□ ---Weekly Machi-Zukuri---
2000/01/01(毎週土曜日発行)             38号(配信数245)
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週まち(週刊まちづくり)ホームページ

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◆1 週刊まちづくり編集部から◆
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昨年は、いろいろなことがあった年でした。3月に東京工業大学大学院を修了
し、博士(工学)を得ました。そして、4月からは、名古屋にある国際連合地
域開発センターで研究員として開発途上国のスラムや環境改善の調査などをし
ています。フィリピンのパヤタスというスモーキー・バレーやセブのスラムの
現場にも行ってきました。
自分自身、今まで日本の参加型まちづくり、特に、研究では、都市マスを中心
にやってきたこともあり、いろいろと勉強させらました。アジアのまちづくり
を仕事の関係で、重点的に勉強したことは、日本のあり方を考える上で、大き
な示唆を与えていると思います。
そして、4月からは、この「週刊まちづくり」を発行しはじめました。初めて
の試みということもあり、暗中模索の中、9ヶ月を過ぎようとしています。
これも、ひとえに皆様方のご支援とご協力の賜物だと思います。結果として、
様々なまちづくりのネットワークが出来つつあるのかなと思います。
今年は心を新たに引き続きやっていければと思っていますので、よろしくお願
いします。また、皆様方のアイディアなどがあれば編集部までお寄せ下さい。

【吉村輝彦/週刊まちづくり編集部/国連地域開発センター】

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あけましておめでとうございます。

昨年4月に出発した「週刊まちづくり」は、今号で38号を数えるまでになりま
した。私たちの思いつきではじまった週まちですが、みなさんのご支援のおか
げでここまでこれたと思っております。ありがとうございました。

昨年は個人的には、3月に東京理科大学修士課程を修了し、半年のフリー期間
を経て10月から東京大学大学院都市工学専攻に入学をするということで大きな
変化のある一年でした。また「まちづくり」との関わり方も、これまではどち
らかというと外から“見させて頂く”という姿勢だったのが、フリー期間があ
ったこともあり、練馬まちづくりの会や柏市豊四季商店会などの活動に直接関
わらせて頂き、スタンスとしても大きな変化のある一年でした。

これまでは「まちづくり」という不思議な言葉のもつ多様性や曖昧さを否定的
に考えていましたが、むしろこの柔軟性のある言葉の存在する意義について考
えさせられた一年だったような気がします。

週まちでは、特にこの「まちづくり」について、決まり事はありません。
読者の方々、提供をしてくださる方が「まちづくり」に関係すると思われるも
のは扱っていこうというスタンスをとっています。しかし現段階では、建築・
都市計画関係者が多い週まちですので、「まちづくり」全体から見れば結果的
にわかりやすくなっています。週まちは、みなさんからの情報で作られていき
ますので、来年の今頃にはどうなっているか楽しみです。

今年もみなさんとともに「まちづくり」という世界について考え、そしてその
中で何ができるかということを(溺れないように程度に)考えていきたいと思
います。よろしくお願いいたします。

【杉崎和久/週刊まちづくり編集部/東京大学大学院】

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「週刊まちづくり」読者の皆様、あけましておめでとうございます。
慶應義塾大学修士課程の山崎と申します。普段は毎週の情報収集に徹している
ため、このようなご挨拶を申し上げるのはいささか緊張してしまいます。どう
ぞ以後お見知りおきくださいませ。

さて、私にとりまして1999年は大学院進学と同時に学問分野としての都市計画
・まちづくりに初めて触れることができた1年でもありました。
「都市」を「都市」として研究する。
このことが如何に大変なことであり、また楽しいことであるのか。
しばしばコラムを掲載してくださる“自称”週まち相談役の伊達美徳先生にお
目にかかれたのを契機に週まちの編集をお手伝いすることになり、その編集作
業の最中や投稿してくださる方々のご意見を伺っている時、私は自分の未熟さ
とこれからの明るい希望の間で溺れてしまいそうになるものです。
そうこうしている内にもう新しい年がやって来てしまいました。今年はもう少
し自分に磨きをかけて読者の皆様と討論などできたらいいと思っております。
作業にも余裕を持って、コラムの方にも何か拙文を寄せてみるのも新しいチャ
レンジのひとつになるかしら。

ところで、この「西暦2000年」。
巷ではMillenniumといって騒いでいるようですが、私にはどうもピ
ンとこないのです。というより、巷の騒ぎ方が何か拍子抜けで白々しく感じ
る、と申したほうが正しいかもしれません。日本人(大多数を占める仮にも仏
教徒)にとってキリスト生誕とされる年から2000年の節目が訪れたからといっ
て、そこには「数字」の驚きがあっても「時間」の感慨はありません。
相変わらずの日本人の輸入上手に私は舌を巻くばかりですが、きっとキリスト
教国にとってのMillenniumと我が国のそれとではこの1年の重みは
まったく違ったものなのでしょうね。そう考えると週まちコラムでもたびたび
話題になる「都市景観」がこれほどまで日本で大切にされないわけがなんだか
わかるような気がするのです。そもそも日本に「都市」などという概念がきち
んと存在しているものなのでしょうか。「都市」はもちろん「社会」そのもの
ですけど、その「社会」も確か明治に福地源一郎が創作した訳語であったよう
で、いまだに「世間」という言葉以上に心的に浸透していないような。。。

ともあれ今年は首都機能移転が決定しそうで、都市・まち関係者には新時代の
幕開けになりそうな1年。
頑張っていきましょう。週まちも気合を入れて頑張ります。
皆様のご参加もお待ちしておりまーす。

【山崎雅臣/週刊まちづくり編集部/慶応義塾大学大学院】

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◆2 週刊まちづくりを支えてくださっているみなさんより◆
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まちづくり新春コメントーちかごろ困ること2つ。

○まちづくりは特別のことか?
 最近はあちこちで、まちづくりの報告会があります。よいことです。
 そこで良く出る話。これには寝食を忘れて本業もなげうって没頭したリーダ
ーがいたので成功した、ありがたいことだ、という類いの話です。
 それはそれで頭の下がることなのですが、そもそも、まちづくりとは、そう
もやらないとできないものなのでしょうか。それではめったのことでは手が出
せない。
 ちょっと前まで、都市再開発には3キチが居てこそできるといわれていたこ
とがあります。キチが差別用語に入ってしまったので説明に困りますが、よう
するに地権者、行政そしてコンサルタントの3者に、寝食わすれて取り組む者
たちが居なければ再開発は成功しないというのでした。
 今は、だれかが犠牲になってのまちづくりはおかしいし、みんなが頑張って
こそまちづくりだから、そんなことは言うまい、という雰囲気になりつつあり
ます。
 まちづくりには、本当は、もっと気楽に取り組むべきなのでしょうね。

○まちづくりはタダのりでできるか?
 それじゃ気楽にやるのだから、タダでできるか。そうはいかない。そこは関
係者が身銭を切ることが重要ですね。
 まちづくり運動費は行政からひっぱりだそうとか、デベロッパーをうまく使
ってタダでやらせよう、都市計画家や建築家などの専門家は今仕事が無いから
成功報酬で釣って使おうとか。
 どうも自分のまちづくりなのに、身銭を切らない雰囲気がまだまだあります
ね。まちづくり懇談会を結成するはなしで会費を徴収するとなると、とたんに
白けることがあります。会費出してこそ、自分の活動だという意気込みが出る
と思うのですがねえ、。
 土地さえ持っていれば、だれかがやってきてまちづくりやってくれるとい
う、バブル時代のしっぽが、まだ太くころがっているようです。

【伊達美徳/都市計画家】

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あけましておめでとうございます。

昨年より開発を進めて参りました電子情報交流システム「どこでもコミュニテ
ィ」の運用が、本日、1月1日より始まります。複雑な都市問題を抱える現代社
会において、計画策定過程への市民参加と計画情報の共有をいかに円滑に行な
い、マスタープランの実行性を高めるか。そうした問題意識の中で、電子メデ
ィアの利用がその隘路を拓くと考え、95年より大和市で様々な試みを重ねて参
りました。そして、西暦2000年、このシステムに辿りつきました。その間に、
大和市は、先進の情報基盤を整備し、全行政分野の職員約1350名がこのシステ
ムに参加するまでになりました。全市民と全職員を対象とした電子メディアに
よるまちづくりが、今、始まろうとしています。

21世紀の新しい価値を生み出すために、週まち読者の皆様の「どこでもコミュ
ニティ」へのご参加をお待ちしております。

大和市「どこでもコミュニティ」ホームページ
http://www2.city.yamato.kanagawa.jp/

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【大和市情報政策課/小林 隆】

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おめでとうございます。そしてこれまでの実績に感謝します。
コメントというより キャッチフレーズか?
『顔とまちづくりのアツイおもいの伝わるメールマガジン週刊まちづくり』
週まちは あなたのライフコンパス。
週まちとの出会いは まちづくりは人づくりから、を肌で感じるメールマガジ
ンです。

【かつしかまちネット/関口とも子】

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週まちのみなさま、いつもごくろう様です。
 こんなに豊富な情報量のメールマガジンが毎週発行されていることに驚きで
す。メールマガジンをネットワークづくりの場にしようという考えにも共感を
覚えます。実は、この「週刊まちづくり」に刺激を受けて、当社スペーシアで
もメールマガジンを発行しようと計画しているところです。(ただし、やる気
があるのは私だけみたいで、どこまでできることやら?)
 「顔のみえる関係づくり」に期待します。今後ともよろしく。

【スペーシア(名古屋)/石田富男】

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 はじめまして。2000年の始まりに当たって名古屋から一言。東海地域か
らのまちづくり情報が少ない状況は残念ですが、外に発信できる活動をめざ
し、引き続き努力していきたいと思っています。とりあえず、2月に田原町で
実験施策「まちかど交流サロン」の実施に向けて準備中。また、コーポラティ
ブ・コレクティブな住まいづくりを目指す「安住の会」も2000年には新た
な飛躍を目指します。東海地域の活動も応援ください。

【愛知県/尾崎智央】

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◆3 週刊まちづくりの現状◆
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配信数 245
■配信先内訳
<学生>
学部生 4名/修士課程 48名/博士課程 16名/研究生 1名
<研究者>
大学教員 36名/研究機関 7名
<実務家>
コンサルタント 40名/建築家 7名/フリー 7名
<公的機関>
国 1名/地方自治体 34名/公団 5名/公社 8名
<市民活動>
NPO団体 3名/市民 12名
<民間>
民間財団 2名/出版・マスコミ 2名/その他民間企業 4名
その他 7名/不明 1名
※複数所属や研究機関とコンサルタントの区別などの判断は編集部でさせてい
ただきました。この数字はあくまでも目安と考えて下さい。
学生、研究者、建築家の中にはまちづくりに対して一市民としての関わりをさ
れている方もいますので、市民活動に関わる実態数はかなり多くなると思いま
す。

■配信先内訳
北海道 0名/東北 9名/関東 171名/東海 44名/北陸 4名
関西 7名/中国 0名/四国 1名/九州 3名/不明 5名
アメリカ 2名

■週まちHPにリンクを張って下さっているサイト(組織編)

 ○あいち★すまい・まちづくり情報広場
  http://www.smile-aichi.or.jp/index.html
 ○建築・土木・環境・まちづくりインターネットアドレスブック(学芸出版社)
  http://web.kyoto-inet.or.jp/org/gakugei/link/09zyoho/06int_m.htm
 ○インターネット版建築百科事典(KEN-CARTA)(日経BP社)
  http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/KNP/knp_original/ken-carta/PAGES/KEY/MIS.HTM
 ○ハウジングアンドコミュニティ財団
  http://www2.tokyoweb.or.jp/housingandcommunity/link.htm
 ○世田谷まちづくりセンター
  http://www.setagaya-udc.or.jp/machisen/link/frame-link.htm
 ○都市研究所スペーシア
  http://member.nifty.ne.jp/SPACIA/Rink/machi-rink.htm
 ○千葉大学延藤研究室
  http://comnet.tu.chiba-u.ac.jp/link/link2.html
 ○東京大学西村・北沢研究室
  http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/information/information.html

※これら以外に個人のサイトにもリンクを張って下さっている所があります。

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◆4 まちづくり伝言板◆
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まちまちMLの越野圭子さんより、MLに掲載された東京都港区の協働会館保
存活用の署名についての発言の転載依頼がありましたので、掲載させていただ
きます。

[machi2net.443] 協働会館保存活用の署名について

 みなさん、こんにちは。
 このたび、芝浦・協働会館を活かす会では、東京都に対して、協働会館の保
存・活用の要望書に署名を添えて提出することになりました。

 まちまち通信上でも何度か紹介していますが、協働会館(正式名称・東京都
港湾労働者第二宿泊所第5寮、東京都港区芝浦1-11)は、昭和11年に建てられ
た近代和風建築です。芝浦に栄えた花街の見番として建てられ、2階には百畳
の大広間があります。
歴史的建造物であると同時に、地域の歴史を伝える遺産としても貴重な建物で
す。現在は東京都の所有で、周囲にある昭和戦前期の建物4棟とともに港湾労
働者宿泊施設として使われています。しかし、周辺の建物とともに共同建て替
えの計画があり、取り壊しの危機にあります。

 去る12月22日午後4時頃、協働会館西脇の宿泊施設より火災が発生しまし
た。出火元の建物は全焼してしまいましたが、発見が早く、風がなかったた
め、幸いにも周囲の建物に火がまわらないうちに消し止められました。しか
し、この火災をきっかけに、無事だった協働会館の建物についても危険度が高
いということで、取り壊しの計画が一気に進んでしまう可能性もあります。

 「芝浦・協働会館を活かす会」では、2年あまりの活動の中で、東京都をは
じめ関係機関に対し、協働会館の保存を要望するとともに、勉強会やイベント
を通して活用についても考え実践してきました。会にとっては、この建物の大
切さをさらに多くの人に理解してもらおうとする活動を進めようとした矢先の
災難となりました。
 今後の対応として、協働会館が性急な判断により取り壊されることのないよ
うに、関係機関に働きかけていく必要があります。
 そこで東京都に対して、以下のような内容の要望書を早急に提出したいと考
えております。

 要望の趣旨
1. 協働会館の建物は、歴史的建造物としての価値が高く、貴重な建物であ
   り、性急な取り壊しを行わないこと。
2. 協働会館の保存(現地保存を基本とする)及び活用をはかること。
3. 今後も活用し続けられるように、必要な安全対策を講じること。
4. 都における協働会館の取り扱いに関する情報を随時公開すること。

 まちまち会員の方々にもぜひご協力いただきたく、お願い申し上げます。
 ご協力をいただける際には、郵送、ファックス、メール(文書はマックのク
ラリスワークスを使っています)いずれかで署名用紙をお送りしますので、下
記までご連絡ください。
 署名の期限は2000年1月14日(金)までで、期間も短く、年末年始の慌ただ
しいなか恐縮ですが、皆様のご支援・ご協力をいただきたく、よろしくお願い
申し上げます。

芝浦・協働会館を活かす会
川口 明代
akiyo@k.email.ne.jp


週刊まちづくり第38号(2000年1月1日発行)
発行:週刊まちづくり編集部(吉村・杉崎・山崎)
E-mail:machi@sa.uno.ne.jp
FAX:052-917-1210(吉村)
URL:http://member.nifty.ne.jp/Teru2/w-machi/




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